菊のワン・ツーが証明した種牡馬ディープの進化と変化

公開日:2019年10月21日 13:00 更新日:2019年10月22日 06:53

 ワールドプレミアが菊花賞を勝利。鞍上の武豊が史上最年少と最年長の菊花賞勝利を達成したこと、ディープがこれでJRAのGⅠ勝ちが「50」に到達したことが話題になっている。

 ただし、もっと見逃せないのは②着サトノルークスもディープ産駒だったこと。そう、今年はワン・ツーだったのだ。

 菊花賞Vは16年サトノダイヤモンド、18年フィエールマンに次いで、これが3頭目。だが、ワン・ツーとなると初めてのことだ。

 今春を振り返ると、同じ淀の長丁場である天皇賞でもフィエールマンとグローリーヴェイズでワン・ツー。かつては「長距離には弱い」と言われていたのがウソのような変わりようである。

 10年に初めて産駒をターフに送ったディープ。当初は〝種牡馬としてはマイラーか〟との評価もあった。

 初のGⅠ勝ちは11年桜花賞=マルセリーナ。NHKマイルCでは②③着だった。そして、安田記念では3歳の身で挑戦したリアルインパクト勝利。秋には阪神ジュベナイルフィリーズをジョワドヴィーヴル、翌春の桜花賞ではジェンティルドンナが。GⅠ4勝目まではすべてマイルだった。

 そのジェンティルがオークスを圧勝し、ダービーはディープブリランテが勝って、やはり「ディープはオールマイティー」であることが証明されたが、初めて菊花賞を勝ったサトノダイヤモンドは6世代目。春の天皇賞馬となったフィエールマンは8世代目となる。やや時間がかかったが、距離をこなす産駒が多く出てきたのだ。

 では、初期に大活躍したマイルではどうか。

 14年にはGⅠを6勝した。桜花賞=ハープスター、NHKマイルC=ミッキーアイル、ヴィクトリアM=ヴィルシーナ、マイルCS=ダノンシャーク、阪神JF=ショウナンアデラ。朝日杯FS=ダノンプラチナだ。

 ただし、ピークはここ。15年には未勝利に転じ、以降は2、2、3、1勝。昨年はケイアイノーテック、ジュールポレール、ダノンファンタジーが勝ったが、今年は桜花賞=グランアレグリアのみ。以前のようにマイルGⅠを席巻することはなくなった。

 一方で長距離路線では強さを発揮。明らかに〝種牡馬ディープ〟は変化を見せたといっていいのではないか。

 実際、2歳新馬戦でも以前より、千八、二千でデビューする産駒が増えている。

 16年まではおよそ年間30頭台、多くても15年の44頭だったが、17年は51頭で19勝、18年は58頭で14勝。そして今年は先週まで38頭で13勝を挙げている。このペースなら、20勝台に乗せても不思議ない。

 長めの距離でデビューし、長距離戦で強さを見せるのが今のディープ産駒像。スピードよりスタミナに推移が明白なら、残された産駒か欧州長距離路線で活躍する日本馬ディープが出てもおかしくはない。日本史上最強馬は死んでもなお、進化と変化を続けていた。

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