データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

サートゥルナーリアは簡単には負けないレベルの馬に

公開日:2019年9月24日 17:00 更新日:2019年9月24日 17:00

 その走り、内容は衝撃的だった。神戸新聞杯(写真)を制したサートゥルナーリアだ。

 ひと夏越してスケールアップしていることは伝わっていた。しかし、兄エピファネイアがそうだったように、気性の難しさも内包する血統。スロー必至の二千四百メートルでどういう競馬をするかに興味を持って見ていた。

 レースはシフルマンの単騎逃げ。前半3Fが37秒1と遅いのに、そこからさらに13秒台のラップと大幅にペースダウン。5F通過は63秒4だ。

 そんな緩い流れにもサートゥルは折り合いがついている。2番手から4角先頭。最後は流すほど余裕がある勝ちっぷりだったのに、自身の上がり3Fは32秒3をマークしていた。

 芝二千四百以上で上がり32秒台で勝ったのは史上10頭目。32秒3は15年京都大賞典のラブリーデイと並び、史上最速タイである。これを楽々とだから恐れ入った。

 残り400メートルから200メートルが10秒2。これでは他馬は手も足も出ない。

 皐月賞ではヴェロックスに頭差の勝利。ダービーでは逆に半馬身の先着を許した。それが、今回は3馬身差をつけた。これは決定的だ。この先、しばらく簡単には負けないレベルの馬になったように思えた。

 ヴェロックスは完敗の②着だが、今回は中内田厩舎にしては前哨戦仕様の仕上げだったか。③着ワールドプレミアは相変わらずうるさい面を見せていたのに、本番の権利を取るという“仕事”をきっちりこなした。本番では面白い存在になりそうだ。

 一方、中山のオールカマーはスティッフェリオが逃げ切り。先行有利の中山で5F61秒8のスローならこういう結果も驚かない。

 ただ、不可解なのは◎ウインブライトの失速だ。レース後、松岡は「距離が長い」とコメントしたようだが、残り1F標の前から手応えが怪しく、伸びてきそうなイメージが湧かなかった。⑨着に負けるような相手ではなく、何事もなければいいが……。

 1番人気で④着のレイデオロも、今年はパフォーマンスを落としている印象。この先、世代交代が一気に進むのかもしれない。

 さて、ダートの時計の速さについては、先週金曜発行の自身のコラムでも触れた。「それにしても……」と思ったのが土曜メイン、ながつきSのゴールドクイーンの逃げ切りだ。

 結構、速い馬の揃った組み合わせでも、この馬一頭が速くて先行争いにならない。牝馬が57キロ背負っているのに、前半3F33秒0で、上がりが36秒0。交流重賞で好走歴があるヒロシゲゴールドが5馬身も離されたのだから、これも次元の違う競馬をしている。

 芝でも3歳時に重賞の葵Sを逃げ切り。今後、レース選択や斤量との戦いはあるものの、芝、ダート不問の短距離馬として目が離せない存在といえそうだ。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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