データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

先週の重賞勝ち2頭の次はどうなるか

公開日:2019年8月27日 17:00 更新日:2019年8月27日 17:00

 先週は特に札幌競馬が面白かった。これで予想もズバズバだったら最高だったが……。

 やはり、日本で普段見られないジョッキーの騎乗姿を味わえるのは、ワールドオールスタージョッキーズならでは。確かに近年は秋になると続々とビッグネームが来日して、東京などほとんどのレースがWASJのようになっているが、今回、また違った感じがしたのは女性ジョッキーが3人もいたからだろうか。

 キーンランドCは◎ナックビーナスがハナに。ただ、ライオンボスにかなり絡まれ、前半3F33秒2になったのは誤算だった。逃げ切った昨年は同じ稍重で33秒7。0秒5の差は決して小さくはない。

 勝ったダノンスマッシュはこれで重賞3勝目。スプリント路線では主役の一頭でも、今回あらためて記録を調べていると気になることが1つあった。それは時計。京阪杯が1分8秒0で、シルクロードSが1分8秒3。そして今回が1分9秒2と、7秒台での重賞勝ちがない。

 1分7秒3の決着だった高松宮記念では0秒2差④着。スプリンターズSが再び7秒台なら、結果はどう転ぶだろうか。

 ②着タワーオブロンドンは4コーナーで他馬が外に動いたため、内をうまくさばけた印象。どうしても千二では前半の位置取り、馬群のさばきがポイントになる。

 セイウンコウセイは0秒5差⑥着と少し離されたものの、もともと大敗から一変があるタイプ。ハナがベストと解釈すれば、次はメンバー次第か。

 新潟2歳Sは新馬勝ち直後、このコラムで褒めたウーマンズハートが連勝を決めた。新馬戦が上がり32秒0の2歳戦最速タイで、今回は32秒8。この決め手は2歳馬離れのものだ。

 3勝馬の兄デザートストームは完全なスプリンターでも、こちらの父はハーツクライ。リスグラシュー、ヌーヴォレコルトのように走るハーツ牝馬は調子の波が少なく、距離もこなす。坂路で加速ラップを刻む馬で、中央場所でも活躍できるだろう。

 その新潟は日曜のレースが始まるまでに7ミリの雨。ダートの時計はかなり速く、日曜12Rは1勝クラスの千二で1分10秒9が出ている。

 ただ、これと比較すると3歳未勝利の4Rは1分11秒1だからかなり優秀であることが分かる。

 もう3歳未勝利戦は来週で終わり。正直、こんな時期にいい記録は出ないだろうと考えていたのだが、勝ったセイドアモールはそれまで運が悪かった。

 というのも、前走の0秒3差②着は新潟で1分12秒0。同日の1勝クラスの②着馬よりも0秒2速い時計で走っていたのに、勝ち上がれなかったからだ。

 7、8月に2走ずつしているので、しばらくは休養か。しっかりとリフレッシュすることが大事だが、この馬は1勝クラスですぐに通用するとみる。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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