ディープインパクト死亡で予想される後継ぎ争いと種牡馬戦国時代

公開日:2019年7月31日 17:00 更新日:2019年7月31日 18:26

 ディープインパクトが17歳で死亡。このニュースは関係者はもちろん、競馬ファンにも大きな衝撃を与えた。

 今年も例年通り、2月から交配を行っていた。だが、3月に入ってから首に痛みが出たため、種付けを中止していた。

 繋養先の社台スタリオンステーションによると、今月28日、頚椎の手術を実施。術後の経過は安定していたが、29日午前には起立不能の状態になった。30日の早朝、レントゲン検査で頚椎骨折が判明。回復が見込めないと診断されたことから、同日、安楽死の措置が取られている。

 関係者もJRAのホームページでコメントを発表。「突然の訃報に涙が止まりません」(金子真人オーナー)、「私の人生において本当に特別な馬でした」(武豊騎手)、「過去の生産馬の中でも間違いなく最高の競走馬でした」(ノーザンファームの吉田勝己代表)など。海外からもその死を惜しむコメントがツイッター上に多く見られた。

 翌春に誕生予定の産駒は20頭前後。20年生まれがデビューするのは22年だから、まだ3年後。亡くなったからといって、急に種牡馬ディープの成績が落ちることはない。

 ただし、ディープの後継ぎ争いはこれから激しさを増すか。

 これまでディープブリランテ、トーセンラー、トーセンホマレボシ、ダノンバラードなどが種牡馬デビュー。今年からはキズナ、リアルインパクトが加わった。だが、まだいずれも“成功を収めた”とまでは言えないのが現状。競走馬だけでなく、種牡馬としても父親があまりに偉大すぎて、それに近づくのはなかなか難しい。

 同じ金子オーナーの持ち馬で、ダービー馬として1年先輩のキングカメハメハも今年になって種牡馬の引退を発表。こちらは今年生まれが最後の世代となる。

 ただし、キンカメからはロードカナロアがアーモンドアイ、サートゥルナーリアを輩出。すでに種牡馬としても大きく注目されている。

 この先、ディープ2世から、どれが後継馬となるのか。また、ディープ、キンカメ産駒が減少する3年後あたり、種牡馬の勢力図はどう変化していくのか。名馬の死は日本の競馬界にとって、大きなターニングポイントになる。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間