【宝塚記念】2頭出し友道厩舎 7年連続11勝、強烈なGⅠ力

公開日:2019年6月20日 16:50 更新日:2019年6月20日 16:50

 前半戦締めくくりのグランプリに友道厩舎は2頭を送り込む。02年に開業して、先週まででJRA506勝。重賞は39勝を挙げており、その内訳はGⅠが11勝、GⅡが11勝、GⅢが15勝(未格付け2勝)。レース数を考えれば、GⅠでの活躍が目を引く。初勝利は08年天皇賞・春のアドマイヤジュピタ。そして、13年ヴィクトリアマイルから今年のNHKマイルCのアドマイヤマーズまで7年連続Vを継続中だ。強烈な“GⅠ力”がここでも――。

名手・横山典と新コンビ エタリオウ今度こそ

 エタリオウはこれまで11戦して〈1703〉。勝ち星は未勝利の1つだけだが、7つの銀メダルのうち青葉賞、神戸新聞杯、菊花賞、日経賞と4つはGⅠ、GⅡ。とりわけ菊花賞はフィエールマンにわずか鼻差だった。

 着外の3回もダービー、天皇賞・春とデビュー戦の④着。GⅠウイナーが6頭も顔を揃えるここに入っても、能力は十分に通用する。

 前走の天皇賞も悪い内容ではない。

 前半は折り合いに専念して、離れた最後方から進めた。3角手前から動いて外をまくる形。それでの④着だ。

 大江助手は「あの日の馬場、流れが合わなかったですね。でも、ロングスパートをして苦しくなりながらも掲示板と頑張りました」と振り返る。

 何よりも厳しい競馬を経験した効果を存分に感じさせたのが1週前追い切りだ。

 中間はリフレッシュ放牧を挟んで調整。順調に乗り込まれ、先週木曜は新コンビの横山典が美浦から駆け付けてCウッドの併せ馬。僚馬を先に行かせ、直線で馬体を併せに行った。6F83秒5―38秒3、ラスト1F11秒6で首先着。早めに前に出てもソラを使うことなし。前進気勢が感じ取れる内容だった。

 今週水曜は坂路4F54秒6―12秒8。1秒近く先に僚馬を行かせて、最後はきっちりと並びかけてゴールイン。

「さすがに回復に時間がかかりましたが、放牧から戻ってからは順調。先週はジョッキーが上手に乗ってくれて、馬も気分良さそうに走っていましたね。手が合うなと思いました。どんなレースをしてくれるか楽しみです」

 横山典は91年メジロライアン、14年ゴールドシップと春のグランプリを2勝。ベテランの手綱さばきに期待だ。

大阪杯で最速の上がり マカヒキ復活Vだ

 マカヒキは16年のダービー馬。弥生賞まで3連勝でぶっこ抜き、皐月賞こそ②着だったが、頂上決戦ではサトノダイヤモンドとのたたき合いを鼻差で制した。

 秋にはフランスに遠征して、ニエル賞も快勝。しかし、凱旋門賞で⑭着に敗れ、その後は上位争いを演じても、勝利の美酒を味わっていない。

 とはいえ、今年の2戦は京都記念が首、首差の③着、大阪杯は0秒2差④着。しかも、前走は惜しい内容だった。

 最内枠スタートから道中はインを後方から進めた。ペースが遅いこともあり、直線ではさすがに前が密集。外に持ち出すと、岩田康の豪快なアクションに応えてグイグイと伸びてきた。

 結果は好位の2頭で決まる中で④着。上がり3F34秒9はメンバー最速だった。スムーズならもっと差が詰まったどころか、突き抜けていたかも。

 上がりが一番速かったのは皐月賞までのデビュー4戦以来のこと。6歳でも衰えてはいない。

 レース後はここを目標に入念に乗り込まれている。4月11日に坂路で初時計をマーク。中間はウッド、坂路、芝とさまざまなコースを使って、実に18本もの追い切りを消化してきた。

 今週は坂路の単走で4F50秒6―12秒5をほぼ持ったままだから驚く。

「リラックスし過ぎるとそこから上がるのに時間がかかる。だから厩舎に置いて緩めず調整した方がいい。今週も体のさばきが良く、モチベーションも高かった。最近の中で一番いいのは間違いないです」(大江助手)

 二千二百では京都記念で③着が2回。二千の弥生賞、若駒S、二千四百のダービー、ニエル賞を勝っており、この距離は向くはず。

 まとめて差し切る場面があっていい。

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