【宝塚記念】夏競馬に強い馬と弱い馬

公開日:2019年6月19日 17:00 更新日:2019年6月19日 17:00

 宝塚記念の大きな特徴のひとつが、GⅠでは数少ない直線が短い内回りということ。そして、もうひとつは暑い時季に行われる点だ。

 一般的にサラブレッドは暑さに弱い。なので、宝塚記念を考えるうえでそれへの耐久力は重要な要素になる。

 周知の通り、大半の一流馬にとって、夏場は充電期間に充てられる。しっかり休養して秋に備えるのがパターン。

 例えば、3歳時からオープン馬になっていると、ダービー後はリフレッシュ放牧に出され、秋に復帰。その後も番組と相談しながら春、秋にという形。そのため、今回のメンバーを見ても、6~8月に出走経験が豊富な馬は多くない。

 人気のレイデオロをはじめ、アルアイン、エタリオウ、クリンチャーは初めてになる。

 そんな中、夏競馬でも“ドンと来い”といえる実績があるのがキセキ。

 3歳春は毎日杯に出走したが、③着と賞金を上積みできず、いったん休養。7月に中京の五百万条件(現1勝クラス)を勝ち、そこから中2週で8月の新潟に遠征。一千万条件(2勝クラス)の信濃川特別も連勝した。

 しかも、信濃川特別は二千メートル1分56秒9の好時計。基準タイムに0秒5差、コース歴代4位の数字を残しているから、間違いなく夏に強いと判断していい。

 次にノーブルマーズ。2歳時は新馬、未勝利戦で②③⑤①着。4歳時は宝塚記念と同じコース、距離の一千万条件、三田特別で2分11秒4の好時計V。そして昨年のこのレースでは12番人気ながら③着と好走した。

 経験値でノーブルと同等なのがスティッフェリオ。3歳時は⑥①③着。4歳時は①②①⑤着と上位争い。ただし、すべて北海道。重賞2勝が福島記念、小倉大賞典だから洋芝巧者というわけではないものの、夏場が得意とは断言しづらい。

 前述以外のGⅠ馬たちはこんな具合だ。

 マカヒキは昨年、初めて夏競馬に出走。札幌記念で僅差の②着。とはいえ、やはりこれだけでは判断が難しい。リスグラシューは2戦しており、2歳時の新馬戦②着、昨年の安田記念⑧着。

 スワーヴリチャードは昨年、安田記念で0秒1差③着だったが、レース後にM・デムーロは「夏バテだったかも」と。3歳時にもダービー②着後、体調が戻らず、秋初戦がアルゼンチン共和国杯となった経緯もある。

 ベテラン勢ではショウナンバッハは4歳時に連勝。しかし、5歳から8歳のエプソムC④着まで毎年走って馬券圏内がない。タツゴウゲキは一昨年の小倉記念勝ちがあるものの、昨年のこのレースで⑮着。しかも、それ以来の実戦だ。

 菊花賞以来のビッグタイトルを目指すキセキにはこんな後押しまであった――。

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