データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

ユニコーンS勝ちワイドファラオには脱帽

公開日:2019年6月18日 17:00 更新日:2019年6月18日 17:00

 禁止薬物騒動による競走除外でとにかくドタバタだった先週末。疲れ果てた1週間だった。

 また、土曜がかなりの雨で芝、ダートとも“不良”。東京芝の不良発表はキタサンブラックが勝った天皇賞・秋以来というから、1年半以上の久々である。

 とかくスローで流れがちな東京なのに、道悪でさらにスローが増えた印象。ジナンボーが逃げ切った土曜メインのジューンSは前半5F63秒1だ。

 数字的に見どころのあるレースがあったのはやはり日曜日。まずはGⅢユニコーンS(写真)を取り上げる必要があろう。

 終わってみれば恥ずかしい話だが、ワイドファラオは全く買う気にならなかった。というのも、過去23回のこのレースで一度も勝ったことがない初ダートの馬。しかも、最内枠を引いたことで「ハナに行くしかないだろう」と考えた。ここは結構、同型が多く、最後は止まるだろう……と。

 実際、レース中に前半3F33秒9の数字が出た時も「やっぱりな」と。というのも、東京ダート千六を前半3F33秒台で逃げ切った馬は一頭もいないからだ(過去に②着が2頭)。

 最後もデュープロセスにかわされそうでかわされず、頭差競り勝ち。芝マイルのニュージーランドT勝ち馬とはいえ、決していい内容とは思えず、これまで高い評価はしてこなかった。馬に「失礼しました」と言いたくなるほどの完敗である。

 この流れで3番手から③着のダンツキャッスルも評価したい。ダート千八で2勝。ともに逃げ切りだった。

 今回は距離短縮のハイペースでハナに行けない競馬。この形でも崩れなかったどころか、最後も伸びていたのがいい。

 また、五百万勝ちの京都ダート千八は1分52秒0の好タイム。同日の古馬五百万より0秒8速いものだから、これくらいは走って当然。次が千八なら軸にできると思う。

 青竜Sでは②着だった1番人気デアフルーグはこの展開がこたえたか。前走の自身の5F通過は61秒4。ところが、今回は59秒2と2秒2も速かった。結局、なし崩しに脚を使ってしまったということなのかも。

 芝は土曜が不良で、日曜は8Rまで重、以降は稍重。ところが、重の段階だった日曜4R3歳未勝利、千八で1分47秒8が出た。これはかなりの好時計といっていい。

 勝ったフラッフィーベアはナカヤマフェスタ産駒で、その父はステイゴールド。血統的に道悪がうまいのは確かでも、前走が同じコースの良馬場で1分47秒7。今回は重馬場なのに0秒1遅いだけ。芝に戻した初戦はブリンカー着用で0秒8差④着。その後の2戦は外して、今回の勝利につながった。

 2番手からの抜け出しで②着に2馬身差。このレースぶりから、小回りもいいかも。追われてから右に左にとフラついていたあたり、まだまだ伸びシロを感じる。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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