強力先行が不在の組み合わせとなった。
これなら◎ダノンキングダムが大外枠からでも先手を取れる。持ち味の粘り強さで押し切りだ。
3歳春にはGⅡ青葉賞(⑥着)にも挑戦した好素材も「まだまだ体が緩いから」とは当時の鞍上、内田のコメント。成長曲線は遅めだったが、18戦のキャリアを積んだ5歳6月にして本格化の印象を受ける。
2勝クラス卒業には11戦を費やした。それが3勝クラスは3戦で突破。ここに駒を進めてきた。
前々走のアメジストSは大外枠からの逃げでGⅢ新潟大賞典③着ロシュフォールの②着。さらに前走の府中Sでは2カ月ぶりの実戦ながら、好位から33秒4の上がりをマークしての快勝。それまで切れる脚は使えないタイプだっただけに、あのパンチ力は成長の証しだ。
「奥手の血統らしく、ここにきて力をつけてきましたよ。重賞でどんな競馬をしてくれますか」とは安田隆師。
ちなみに兄ダノンメジャーも5歳夏、キャリア25戦目で小倉日経オープンを押し切り。たたき上げの晩成型だった。
兄同様の軌跡をたどる◎は父が成長力あるステイゴールド。勢いに乗ったこのタイミングなら、得意の東京でGⅢゲットのチャンス到来だ。