データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

安田記念は“2強対決”が崩れるとは思っていたが…

公開日:2019年6月4日 17:00 更新日:2019年6月4日 17:00

 アーモンドアイVSダノンプレミアム。安田記念(写真)で注目の2強対決は意外なほどあっけなく崩れた。

 もちろん、いずれにも本命は打っていないから「崩れる」とは思っていた。その結末が想像していないものだったということ。

 アーモンドは高速馬場特有の前を捕まえ切れないケースを考えた。ただ、ダノンはなかなか崩れるシーンが思い浮かばなかったが……。

 ダービーのサートゥルナーリアほどではなくても、ダノンも今回はうるさく見えた。本馬場に入ってもなかなか返し馬に行けなかった。しかし、結局のところはスタート直後の不利が全てか。

 大外16番のロジクライが内にヨレて、進路を妨害。アーモンドのルメール、ダノンの川田ともにレースビジョンが崩れたのかもしれない。

 大方の予想通り、アエロリットが逃げ、前半は3F34秒5、5F57秒0。

 今の馬場コンディションでGⅠならそう速くはない。実際、アエロリットが②着で、2番手グァンチャーレが④着に残っている。

 絶好の位置取りは4番手あたりのインディチャンプ。6番手モズアスコットもそう思えた。

 対して本命フィアーノロマーノは、想定していたよりはるかに後ろの9番手。勝ち馬がいるあたりにつけている展開を考えていたのに、あの展開、位置では持ち味が生きない。これまで東京で2回走って⑤⑱着なのはともに昇級戦で、本格化する前だからと甘くみていたが、どうやら東京が向かないのかも。

 アーモンドは残り600メートルで前から1秒5も後ろ。上がり32秒4で届かないのは仕方がない。

 問題はダノン。直線で川田が追い出すといつもの奇麗なフットワークではなく、どこか乱れた感じだった。ゴールを過ぎて下馬したが、JRAの診断だと異常なしということなので、秋の復帰を待ちたい。

 さて、記録的に最も注目したいのは安田記念の直後の三浦特別。1番人気の3歳馬ゴルトマイスターが逃げて、そのまま4馬身千切った。そのラスト2Fが圧巻。良馬場のダートで11秒6―11秒8だ。勝ち時計の千六1分36秒5は1週前、レピアーウィットが勝った薫風Sより0秒2速い。

 まだキャリア5戦で、かなりもまれた時にどうかという不安はあるものの、前走も京都で千八1分51秒3で勝っていることから、素質は相当だ。関西の3戦3勝馬クリソベリル(兵庫チャンピオンシップ勝ち)に次ぐ力を感じる。

 話を芝に戻して、次走で狙いたいのは土曜9R国分寺特別で⑦着のマイネルザウバア。今回は冬の小倉以来の休み明け。最内枠から逃げてうまくマイペースに持ち込んだが、そうなると極端に上がりが速くなる。ラスト4Fは11秒9―11秒2―10秒9―11秒8で45秒8だった。良績が小回りに集中しているタイプで、今回の千八1分46秒5、0秒6差は上々の走りといえる。

 次走は福島か。少し上がりがかかる馬場状態なら、なおいいと思う。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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