先週のオークスは従来のレースレコードを一気に0秒8も更新した。上位2頭はともにディープインパクト産駒で、それも母の父がともにストームキャット系。スピード勝負で結果を出した。
近年のダービーもそう。母系でスピードを底上げした馬が主流、ダービー馬になっている。
例えば、16年のマカヒキ。母ウィキウィキからは6F重賞勝ち馬のウリウリが出ている。17年レイデオロの祖母レディブロンドはデビューから6Fで5連勝を挙げたスプリンターだ。昨年のワグネリアンも。祖母ブロードアピールが6~7Fで重賞を6勝もしている。
そこで今年はロジャーバローズに注目。
ディープ産駒で、母の父リブレティストはダンチヒ系のスピードタイプ。欧州のマイルGⅠで2勝を挙げている。母のリトルブックは未勝利馬だが、母の半姉が英6FGⅠ馬のドナブリーニだから、母系は非常にスピード色が濃い。
そこに父ディープなら文句なしのダービー配合だ。ちなみにドナブリーニとディープの間に生まれたのが、GⅠ7勝の女傑ジェンティルドンナ。ロジャーとは8分の7までが同血と非常に血統構成が近い。同じ角居厩舎のサートゥルナーリアだけでなく、ロジャーも超優秀な血筋なのだ。
そのジェンティルが得意としたのが東京二千四百メートル芝。オークスのレースレコードVに、ジャパンCでは史上初の連覇も達成した。東京初参戦のロジャーもこの舞台で血の覚醒があっていい。
枠番は先行馬にベストの1枠1番。前10年のダービーでは〈3214〉と最強の枠でもある。2頭出しは人気薄を狙えではないが、先行抜け出しで波乱を演出する。