データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

「令和」最初の開催あれこれ

公開日:2019年5月7日 17:00 更新日:2019年5月7日 17:00

「令和」最初の開催はいろんなことがあった。

 まずは土曜東京が10R以降中止に。9Rまで晴れていたのに、突如として天候が一変し、雹が降ったのには驚いた。プリンシパルSがダービーまで中2週だったのが中1週(12日の日曜10Rにあらためて施行)になるのは残念だが、中止は当然の判断だろう。

 JRA初の馬券発売だったケンタッキーダービーは1位入線馬が長い審議の結果、降着に。140年以上の歴史で初めてのことだそうだ。3連単が1600万円を超えたのも驚きである。

 そして、国内最初のGⅠNHKマイルCはグランアレグリアが4位入線→⑤着降着。ルメールは今年2度目の騎乗停止に。過怠金ですんだものの、皐月賞でも審議の対象になっている。

 レースが圧巻だったのは土曜新潟メインの邁進特別だ。ハンデ53キロとはいえ、単勝100倍近い人気薄ライオンボスが54秒1の好タイムで5馬身差の逃げ切り。ラスト1Fの11秒1は条件レベルではなく、後々、千直専用として大成するかも。

 さて、驚くことばかりの令和1週目。本命のグランアレグリアは桜花賞よりも前半の力みが目立ち、折り合いが良くない。中3週と初めて間隔が詰まった影響なのか、それとも牡馬相手だとこうなってしまうのか。

 また、これまでマイルで優秀な記録を残していても、スローの上がり勝負だった。

 今回は半マイル45秒8のハイペース。仮に斜行がなくても、自ら速い流れに付き合って自滅した感が強い。それでも最後にもうひと伸びしているところが、やはり一流馬なのだが……。

 前記の通り、前半の半マイルは45秒8で、後半は46秒6。アドマイヤマーズの勝ち時計は1分32秒4。9R湘南Sが46秒7―45秒9で1分32秒6だから、前後半を逆にしたような感じ。今年の3歳マイル路線は平凡な記録が多かった中、桜花賞馬、朝日杯FS馬の出走でレベルがアップ。例年並みとはいえそうだ。

 惜しかったのは不利を受けた5位入線→④着のダノンチェイサー。もう一頭、気になったのが残り1Fで先頭に立った(ように見えた)トオヤリトセイト。結果的には仕掛けが少し早かったということなのだろうが、この0秒4差⑧着は次につながる敗戦と思える。

 同じマイルの湘南Sでは勝ったアンノートルに次も注目したい。

 こちらはNHKマイルCと違い、上がりの速い勝負。父アイルハヴアナザーという血統からこういう流れは不向きと思えたのに、残り1Fあたりから一気に脚を伸ばして1馬身4分の1突き抜けた。

 上がり33秒2は自身の最速で、レースでの最速は20戦目にして初めて。2月に中京で五百万を勝つと、一千万は1戦で突破。準オープン初戦、中山の春興Sは⑩着に終わったものの、東京の上がり勝負で巻き返したのはサプライズだ。田中博厩舎に替わってから6戦3勝。新進気鋭の調教師がこの先、どう強くしていくかにも注視したい。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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