昨年のダービーで悔し涙をのんだブラストワンピースと池添のコンビ。
古馬相手の新潟記念を制し、雪辱を期して臨んだ3冠最終戦の菊花賞では1番人気に推されたものの④着まで。ビッグタイトルに手が届かないかと思われたが、さすがに大舞台でピカイチの強さを見せるジョッキーは違った。暮れの大一番、有馬記念ではそれまでの鬱憤を晴らすかのような快勝を見せたのだ。
この瞬間から追う立場から追われる立場へ。
今年の始動戦となる大阪杯は久々でも取りこぼせない。人馬一体となり、入念に調整を進めてきた。
「完成の域に近づいている」
――2週続けて追い切りにまたがりました。まず1週前の手応えを。
池添騎手「しっかりやりたかったんです。2頭併せのつもりで、大きく先行させた1頭には追いつけばという気持ちでしたが、最後は先着。力強い動きでしたよ。ウオーミングアップの時からフットワークがめちゃくちゃ柔らかくて、今までの1週前の中でも一番と言っていい気配でした」
――今週も上がり重点ながら、隊列は同じような感じでしたね。
「ですね。5Fから入って3Fからペースを上げてしまいをしっかりやるイメージ。(大竹)先生からも“やっていい”と言われてたので、動きを見ながら自分の判断で最後は追いました。素晴らしい反応でしたよ。いい形でスタッフがここまで持ってきてくれたことに感謝です。馬自身も背腰、トモがしっかりしてきて完成の域に近づいているなとも感じました」
――阪神の内回りは初めてになります。
「競馬場は外回りの毎日杯を勝っているので心配ないでしょう。大型馬ですが、器用なので内回りになっても問題ないと思います。パワーがあるので渋って力のいる馬場になっても大丈夫」
――期待は大きいですね。
「ええ。昨年の有馬記念を勝った時に“今年は古馬の王道を行きたい”と言いましたよね。その言葉を証明するためにもここは大事な初戦。しっかり結果を出したいと思っています」
体はひと回り大きくなったが、無駄肉は一切なく、筋肉の鎧をまとってさらなるパワーアップは明らかだ。超一線級が揃った中でも、自信をのぞかせる主戦の言葉通り、一蹴して王道の第一歩を踏み出す。
3連単は⑦の頭固定で勝負する。