平成競馬の裏と表

【平成14年】ダービーV 1日8勝と2度の落馬 武豊が常に中心

公開日:2019年3月28日 17:00 更新日:2019年3月28日 17:00

 昨年、ルメールが年間215勝のJRA新記録を達成。武豊が持っていた212勝を13年ぶりに塗り替えた。

 ルメールの昨年の勝利数を自身の騎乗日数で割ると「215÷94=2・29」。つまり、1日乗れば2・29勝という計算になる。

 212勝だった武豊の17年は100日乗っていたから2・12。これでも十分に凄い。しかし、今回取り上げる14年は――。

 武豊の成績は勝率・291、連対率・435。実はともに自身のベストはこの年になる。

 もちろん、リーディングトップ。勝ち鞍は133にとどまったが、騎乗日数は年間の半分程度の51日だった。1日あたりの勝利数は驚異の2・61。タニノギムレットで3度目のダービー制覇を果たしたほか、ビリーヴ=スプリンターズS、ファインモーション=秋華賞、エリザベス女王杯とGⅠで4勝を挙げた。

 騎乗日数が少ない理由は2つある。まずは前年に続いて5月から9月にかけてフランスに遠征したこと。

 そして、もうひとつが大ケガだ。2月24日、中山3Rで騎乗していたキッズワールドが故障して転倒。武豊は落馬して骨盤骨折、全治3~6カ月の診断を受けた。当初は「3月から再びフランスで乗る予定」だったが、当然、治療に専念することに。

 だが、アスリートの回復力は想像をはるかに超えていた。4月20日の京都で早くも復帰すると、翌日にはハギノハイグレイドでアンタレスSを快勝。そしてNHKマイルC(タニノギムレットで③着)の後、フランスへ。ダービーで一時帰国し、「今夜はギムレットで乾杯してください」の名言を残して再び渡仏した。

 さらに12月7日の阪神では1日8勝の固め打ち。これはJRA新記録で、世界タイ記録でもあった。

 その一方、菊花賞のノーリーズンではゲートがあいた瞬間に落馬。2・5倍の1番人気で、売り上げ227億円のうち、一瞬にして110億円がパーに。

 幸い、人馬ともケガはなかったものの、さすがの武豊もこの時は顔面蒼白だった。GⅠ級レースでスタート直後に1番人気が落馬したのは、昭和44年のダービー(タカツバキ=嶋田功)以来、33年ぶりである。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間