手も足も出ないとはこのことか。高松宮記念が3連単449万馬券で、マーチSが124万。同日の重賞がともに100万オーバーだったのは史上初のことである。
ただ、高松宮記念に関しては荒れる可能性を指摘していた。
1番人気ダノンスマッシュはこれまでの相手関係や、高速決着の裏付けのなさ。モズスーパーフレアに関してはコース形態。他にも久々の当日輸送、中2週という懸念材料があった。
しかし、仮にこの2頭を無視したとしても、とてもじゃないが、的中にはたどり着けない結果。③着ショウナンアンセムに至っては、どうにも激走の説明がつかない。
では、①②着のミスターメロディ、セイウンコウセイはどうか。
ともに黒帽でイン有利の馬場を最大限に生かせたのが最大の要因。なぜインが有利になるのかというと、16年以降、高松宮記念の週だけ、それまでのAコースからBコースに替わるからだ。
昨年までの3年間で芝千二は7鞍。③着以内に来た21頭のうち9番以内が19頭で、14、15番で②着が2回あるだけ。トラックバイアス(馬場の傾向の偏り)のせいで、2ケタ馬番の好走は望み薄ということだ。
実際、高松宮記念でもビッグアーサーの16年は4、6、8番の順。セイウンコウセイの17年は6、3、7番。ファインニードルの昨年は9、8、7番だった。
本紙に掲載した関係者のコメントでも、「Bコースだし、内枠がいいに決まっている」とミスターメロディの藤原英師。今年は3、4、7番とこれまでの傾向通り。ま、それでもショウナンは買えないが……。
もちろん、傾向がはっきりしていれば、馬券が取りやすい(今年の3連単は別として)ものの、そもそもGⅠという最強馬決定戦の舞台としてふさわしいのかどうか、という問題がある。
今週の大阪杯もA→Bコース替わりの1週目。短距離戦ほど枠順は重要ではないとはいえ、まずは傾向をしっかりと掴みたい。
さて、中山には特に取り上げたいレースが見当たらず、次は阪神から。
土曜には3歳五百万の9R君子蘭賞、GⅢの11R毎日杯と、芝千八が2鞍行われた。
毎日杯は最内枠からランスオブプラーナが5F60秒7で逃げ切り。勝ち時計は1分47秒2だった。対して、君子蘭賞は5F59秒2で通過して1分46秒8。時計の速さはもちろん、中身もこちらの方が上である。
勝ったフェアリーポルカは6番手からレースを進め4角4番手、残り300メートルで先頭に。勝ち時計からラスト1F12秒3を引くと、マイル通過は1分34秒5。これはなかなか強烈な記録だ。
若駒Sでは紅一点ながら③着。オークス路線で楽しみな馬が出てきた。
月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。