【高松宮記念】新スプリント王誕生ダノンスマッシュ
公開日:2019年3月22日 17:00 更新日:2019年3月22日 17:00
昨年のスプリントGⅠを連覇したファインニードルが引退。短距離界は世代交代の真っただ中にある。それなら上る勢いを重視したい。◎は重賞2連勝中のダノンスマッシュだ。
この親にしてこの子ありか。父にロードカナロアを持つ血統馬がスプリント路線にシフトして一気に頭角を現してきた。4戦して3勝②着1回。特に京阪杯、シルクロードSの2連勝は力が一枚違う勝ち方で、父と同じ軌跡を歩んできた。
その父は4歳春の高松宮記念で③着。初GⅠの圧力に屈したが、ダノンは前走がビハインドをはね返す勝ち方だ。内へ押し込められ、直線は前が壁で、外に出せたのが残り1F手前。先頭とは約3馬身だから負けまであった展開から見事なまでの逆転劇。1馬身4分の1突き抜けた。最高のプレ本番となったに違いない。
逆境からのV――。
勝てた要因は調教の工夫にもある。血の持つ短距離志向をより強めるため、父より1走早く、前走時から坂路オンリーの調教に踏み切った。栗東の坂路は高低差32メートルで最大傾斜4・5%。スプリンターに必要な後肢の筋肉、爆発力を強化するには最適な調教法である。
それなら父より早く花開く。1週前には自己ベストの4F49秒7をマークした。父も手掛けた岩本助手は「昨年に比べてトモの肉づきが段違い。楽しみしかありません」だ。3連勝で新チャンプが誕生する。