データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

秋の天皇賞は現在のところ「レース・オブ・ザ・イヤー」

公開日:2018年10月30日 16:50 更新日:2018年10月30日 16:50

 天皇賞の結果は何と言えばいいのだろうか。現役屈指のコース巧者スワーヴリチャードが、何の見せ場もないまま敗退したのだから。

 確かにスタート直後にマカヒキにぶつけられている。これはもちろん、リアルタイムで確認できた。だが、あそこまで動けないのは想定外。これが競馬の難しさということか。

 ただし、レースという観点では何のケチもつけられない。いや、それどころか、現在のところレース・オブ・ザ・イヤーとも思う。

 テンの1F目は12秒9と遅かった。これは逃げ馬不在のメンバーだから仕方がないだろう。

 しかし、2F目からはずっと6F連続で11秒台が続き、残り600~400メートルで10秒9に。ラストが12秒0と少しかかったのは、それだけ死力を尽くした戦いだったということだ。レースの後半5Fは57秒4。勝ったレイデオロは確実に56秒台後半で上がっている。

 前半3Fは36秒2で5F通過は59秒4。数字上ではスローの分類になるものの、実際はテンの1Fが遅かった分、そう見えるだけ。タイムからテンとラストの1Fをそれぞれ引いた千六百メートルは1分31秒9。

 道中を安田記念レベルの数字で走っているのだから、「緩んだところが全くなかった」(武豊騎手)というコメントも納得である。

 この逃げ馬不在といわれたレースを“締めた”のは川田キセキだ。よどみのないペースで引っ張り、残り1000メートルから11秒6―11秒3―10秒9とグングン加速。これでは末脚勝負型は脚がたまらない。つまり、川田が考えた末脚封じの策だ。

 これを見事に攻略したという点でもレイデオロと、わずかにキセキを差した②着サングレーザーを高評価。もちろん、キセキの粘りが価値ありなのは言うまでもない。

 中でもサングレーザーは同期のクラシック馬3頭の一角を崩し、タフな東京二千を克服。モレイラの腕によるところも大きいだろうが、マイル~二千では最強レベルの一頭にノシ上がってきた。

 ダートで圧巻は日曜9R河口湖特別。パイルーチェが五百万に続き、ダート千四への転向で2連勝を飾った。

 時計は1分24秒2で3馬身差。前日に行われた1つ上の準オープン、神無月Sより0秒1速いのだから上々の数字だ。

 この2鞍、時計だけでなく、道中のラップも似ており、6F通過1分11秒3は全く同じ。ちなみに、神無月Sで千二で先頭に立っていたのは鼻差②着のレイダーで、河口湖特別では逃げたサラーブ。この馬には次走確勝級の評価を与えたい。

 最後に土曜京都のスワンSを。ゴール前はロードクエスト、モズアスコットの見どころある鼻差の接戦だった。とはいえ、時計は千四1分21秒5と平凡そのもの。翌日の一千万より0秒5速い程度では、レースのレベルに疑問符がつく。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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