「チャンスはあると思います」
今年で16年目となる松岡。デビュー当初から歯に衣着せぬコメントと気迫満点の騎乗でメキメキと頭角を現してきた。
そんな松岡が初めて重賞を勝ったのは05年ダイヤモンドS。14頭立て10番人気と人気薄のウイングランツでのもの。
「懐かしいなあ。最初が“ウイン”の冠名というのも縁を感じますね」
というのも、その後、ウイン所有の馬で重賞4勝(14年ラジオNIKKEI賞=ウインマーレライ、17年スプリングS、福島記念、18年中山記念=ウインブライト)をマーク。主戦格となったからだ。
アルテミスSでも期待の2歳牝馬ウインゼノビアに騎乗。タイトル奪取へ向けて、静かに闘志を燃やしている。
――デビュー前からケイコをつけていました。当時を振り返ってください。
松岡騎手「最初からいいフットワークで動けていたので“走るな”って感じていましたよ」
――デビュー戦は1番人気に推されながらも②着まで。
「まだ粗削りで掛かりそうなところがあったので競馬で教え込まないと、と考えていたんですよ。だから、道中は馬の後ろで我慢させたんです。負けはしましたが、あれで正解だったと思います。その後はきちんと折り合いがつくようになりましたから」
――戸崎騎手で未勝利戦を勝ち上がり、クローバー賞では再び鞍上に。
「2戦目、実は自分が戸崎さんに頼んだんですよ(当人は函館で騎乗)。彼なら上手に競馬をして勝たせてくれると思って。その通りでしたね(笑い)。札幌は自信がありましたよ。怖いぐらいに良くなっていたので。レースも終始、楽な手応えで、最後は物見をする余裕があるほどでした」
――帰厩してからも順調のようですね。2週続けて追い切りをつけています。
「先週の時点でまだ息が重い感じがしたので、今週も自分が志願して乗せてもらいました。道中、速いラップを踏みながら最後までしっかり。いい仕上がりになりました」
――重賞初挑戦です。
「2歳戦は流れが読めないんですが、どんなペースにも対応できるように自在性を磨いてきました。相手は強くなりますが、チャンスはあると思いますよ。ゼノビアはもちろん、管理する青木先生も勝てば重賞初勝利。プレゼントしたいので頑張ります!(笑い)」