池添がブラストワンピースと臨んだ今年のダービーは「毎日思い出すほど忘れられないレース。悔いしかない」と言う。懸念だったゲートで後手を踏み、直線ではワグネリアンに進路を消されて、開いた時点では“時すでに遅し”。脚を余す形で敗れてしまった。それだけに、最後の牡馬クラシックの1冠奪取は絶対の使命として自らに課している様子。そのために、ここまで準備万端である。
「一緒に取りたい、いや取らなければならない」
――秋に向けての始動戦、新潟記念では古馬を一蹴しました。
池添騎手「道中は休み明けのせいか、ハミを取らなくて。でも、向正面で肩ムチを入れたらやる気を出してくれました。最後はノーステッキで突き抜ける強い競馬をしてくれた。経験豊富な古馬相手にいい内容で結果を出せてホッとしました」
――1週前の追い切りにまたがりました。久々の背中でしたが、感触はどうでしたか。
「準備運動でまずダートへ。その時点からいいフットワークでしたよ。ゴールを過ぎてからも、促して集中力を切らさないように。重い馬場を気にせず、いい動きでした(ウッド6F81秒4―36秒9、1F11秒9)。背腰がしっかりしてきましたね。息も整っていました。どんどん良くなってきている印象でした」
――当週はまたがらずに見学の予定でしたよね。
「それが他の厩舎の追い切りを頼まれて、見ることができなかったんですよ(苦笑い)。でも、追い切りを担当した助手さんは“良かった”と言っていたし、その後のゲート練習には乗ったんですよ」
――その時の雰囲気は。
「ソワソワして前扉に頭を入れるようなしぐさをする時があるんだけど、落ち着いていましたね。状態も“いいな”と感じました」
――初めての距離はどう見ますか。
「レースに行って折り合いに不安がないので、自分の中では大丈夫だと思っています」
――最後のクラシックは何としてでも、ですね。
「ダービーは自分がしっかり乗っていれば助けられたレースで、悔いが残りました。ブラストにとっては一生に一度の菊花賞。クラシックラストの今度こそは一緒に取りたい、いや取らなければならないと思っています」
GⅠで23勝をマーク
池添は先週までにJRAで1107勝を挙げている。そのうち重賞は78勝だ。
クラス別に分けるとGⅠ=23勝、GⅡ=26勝、GⅢ=29勝。レース数の最も少ないGⅠでもGⅡ、GⅢとそれほど変わらない。“GⅠ力”の高さと言っていい。
GⅠの全成績は〈23、20、15、168〉、勝率.102、連対率.190、③着内率.257。単勝回収値は103円で原価を上回っている。
菊花賞は11年のオルフェーヴルで3冠達成。今年も先頭でゴールを駆け抜けたい。