データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

数字で証明 サウジアラビアRCでグランアレグリア圧勝の理由

公開日:2018年10月10日 17:00 更新日:2018年10月10日 17:04

 先週の3日間競馬はいろいろなことがあった。

 重賞だけでも、アエロリットが牡馬を圧倒した毎日王冠、サトノダイヤモンドが復活を遂げた京都大賞典に、エネイブルの強さを見せつけられた凱旋門賞、3歳馬ルヴァンスレーヴが王者ゴールドドリームを倒した盛岡の南部杯。しかし、記録的に最もインパクトがあったのは土曜の2歳GⅢサウジアラビアRCだ。

 こう書くと「時計は千六1分34秒0で、新馬戦より遅いじゃないか」と思う方もいるだろう。

 確かにそう。しかし、この要因はテンの1Fが13秒1とかなり遅かったことにある。だから、2Fも11秒8とペースが上がらず、前半3Fは36秒8。いくら2歳戦といってもかなりのスローだ。

 しかし、注目すべきは後半5Fの数字。11秒5―11秒6―11秒3―11秒1―11秒7で「57秒2」という強烈な記録が刻まれたのだ。

 2歳戦でこの数字がいかにすごいか――を説明しよう。

 そもそもマイル戦で後半5Fが57秒台だったレースは過去に4鞍。57秒8が3鞍で、05年朝日杯FS(勝ち馬はフサイチリシャール)、11年新潟2歳S(モンストール)、13年未勝利(ミッキーアイル)。では、これまでの最速はというと57秒6で、グランアレグリアの新馬戦。つまり、自身の記録を自ら塗り替えたことになる。

 この半端ない搭載エンジンこそが、着差のつきにくいスローで②着ドゴールを3馬身半も千切った理由。ルメールの言葉通り「GⅠを勝てる馬」だと確信している。

 ちなみに、同じく後半5Fが57秒2だったのが毎日王冠を逃げ切ったアエロリット。ただ、古馬の千八には“上”があって、史上最速は08年毎日王冠の56秒9。ウオッカが逃げてスーパーホーネットが差したあのレースである。

 体も少し増えて充実期に入ったアエロリット。ウオッカとまではいかなくても、かなり近づいている印象は受ける。

 この速い上がりを後方から②着した3歳馬ステルヴィオもさすが。こちらも今後、注目の一頭だ。

 ダートは初日が“重”でスタートし、月曜には良馬場に回復。マイルで1秒半ほどの馬場差がありそうだ。

 それでも強烈だったのは土曜2Rを逃げ切ったロマンティコ。前半5Fを59秒3で飛ばし、千六1分36秒9の好時計V。②着を7馬身も千切っている。

 6F通過は1分11秒9だから、距離は短くてもOK。札幌千七の前走では4番手から②着と、控える形では持ち味があまり生きないタイプかも。

武田昌已

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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