春シーズンとは動きが違う
サトノダイヤモンドが復活の重賞制覇だ。
3歳時はクラシック3冠を③②①着し、有馬記念で同年の年度代表馬になるキタサンブラックを首差ねじ伏せてV。その馬名のごとく輝いてみせた。だが、4歳以降は阪神大賞典の1勝のみ。昨秋の仏遠征で完全にリズムを崩し、今春も③⑦⑥着と苦しんでいる。
このまま終わるわけにはいかない。大復活へのキーマンは今回から新コンビを組む川田だ。
「普段からジョッキーが試行錯誤しながら乗ってくれてる」は兼武助手。
この言葉にピンときたのは、春秋スプリントGⅠを制したファインニードルの例。この秋、川田は前哨戦の最終追い、そしてスプリンターズS時には1週前、最終追いで調教騎乗した。
高橋忠師からは「ジョッキーの感覚と、こちらの感覚とをすり合わせながら仕上げていきます」との話も聞いていた。本番へ向けて、いかに状態を上げていくか。レース以外の部分でも一役買っていたのだ。
川田はサトノダイヤモンドとのコンビが決まると、追い日以外にも積極的にまたがるなど、コンタクトをとってきた。その効果も着実に表れている。
注目の最終追いはCウッドで3頭併せ。ラスト1Fから手綱を緩めた程度でも、瞬時に加速して11秒3のフィニッシュ。この数字も速いが、それ以上に道中の走りが抜群に良かった。
リラックスした中でもしっかりハミを噛んで走れており、人馬にいい緊張感が見て取れたからだ。春シーズンには見られなかった雰囲気。確実に本来の調子を取り戻していることがイメージできた。
GⅠ馬シュヴァルグランがいるが、もちろん気後れするメンバーではない。まずはGⅡ制覇で復活をアピール。ジャパンC↓有馬記念へ弾みをつける。